ホンドオコジョMustela erminea nippon)は、イタチ科イタチ亜科イタチ属オコジョ種の亜種で、本州の東北地方や中部地方などに生息するオコジョである。

本種は「ヤマイタチ」、「クダギツネ」とも呼称される。志賀高原では「山の妖精」と呼ばれて親しまれており、本種をモチーフにしたマスコット『おこみん』によるPRが行われている。本種とエゾオコジョとの主な相違点は躯体の大きさで、本種の方が小さい。

分布

本州の東北地方や中部地方などの山岳地帯。関東地方の日光市では標高1,200m以上の山岳地帯に生息する。本種の生息地域に野生化したミンクが生息している地域では、ミンクとの生存競争で劣勢に立たされており、その地域では本種の個体数が減少している。本種は準絶滅危惧種(NT)に指定されている。

特徴

成獣の大きさはオスとメスで異なり、オスの方が大きく、体長はオスが約18 - 20cm、メスが約14 - 17cm。尾長は、オスが約5 - 7cm、メスが約6cm。体重は、オスが約200g、メスが約160g。毛色は、下顎から腹部にかけては1年を通して白色。尾の先端は1年を通して黒色。それ以外の部位の毛色は夏毛と冬毛で異なり、夏毛は褐色、冬毛は白色。換毛期は、夏毛への換毛は初春。積雪期には冬毛への換毛しており、白色となる。

生態

本種の行動は基本的には単独行動で、オスの活動範囲はメスのよりも広く、複数のメスの活動範囲と重なり、その広さは約40 - 80ha。メスの活動範囲は約20 - 50ha。同性間では活動範囲が重ならず、縄張りを持っている。木に登ることや泳ぐこともできる。

巣は、樹洞や岩と岩の間に開いた隙間である。

食性は主に動物食で、ネズミやリスなどであるが、本種よりも大型のノウサギを捕食することもある。また山小屋の残飯を食べることもある。

繁殖

出産時期は春で、巣穴で4 - 6匹の新生子を出産する。

その他

本種は長野県から天然記念物の指定を受けている。

脚注

参考文献

ウェブサイト

  • 「オコジョ」『岐阜県の絶滅のおそれのある野生生物』2009年3月31日 改訂版、岐阜県環境生活部、2010年1月21日(木)閲覧。 
  • 石井信夫「ホンドオコジョ」『絶滅危惧種情報検索』2000年 - 2006年、環境省 生物多様性センター、2010年1月21日(木)閲覧。 
  • 「ホンドオコジョ」『森に生きる希少動物たち』第10回、中部森林博物館、 オリジナルの2011年9月26日時点におけるアーカイブ、2010年1月22日(金)閲覧。 
  • 「ホンドオコジョ」『動物小辞典』、ヤマハ発動機、2010年1月21日(木)閲覧。 

出版物

  • 米田政明 著「オコジョ」、阿部永 監修、自然環境研究センター 編集 編『日本の哺乳類』(改訂2版)東海大学出版会、2008年7月5日 第1刷発行、p85頁。ISBN 978-4486018025。 

オコジョ Wikipedia Silly animals, Animals and pets, Animals

オコジョ (おこじょ, オコジョ) JapaneseEnglish Dictionary JapaneseClass.jp

オコジョ Webいきもの図鑑

駿河屋 ホンドオコジョ「志賀高原のアイドル ホンドオコジョ」(テレホンカード)

ホンドオコジョ