「ちひろの生まれた家」記念館(ちひろのうまれたいえきねんかん)は、1918年(大正7年)12月15日に絵本画家のいわさきちひろが生まれた町家を改修し、一般公開している福井県越前市の施設である。
概要
いわさきちひろの母の岩崎文江は、奈良女子高等師範学校(現・奈良女子大学)を1913年(大正2年)に卒業し、福井県南条郡武生町(現・越前市)の武生町立武生実科高等女学校(現・福井県立武生高等学校)に赴任した。
1918年(大正7年)3月に陸軍の建築技師の倉科正勝と結婚後、単身赴任で武生にて勤務を続けていたが、5月に懐妊が判明、10月に出産準備として、学校近くの商家(質・古着商)の離れを借り、雪の降る12月15日朝にちひろを出産した。なお、正勝は11月から翌年の2月まで、軍属としてシベリアに出征しており、ちひろ誕生時には不在であった。
1919年(大正8年)3月、文江は武生の女学校を退職、4月に東京へ転居し、親子3人で暮らし始めた。このように、ちひろは誕生地に100日余しか滞在しておらず、長い間、その場所が不明であったが、地元高校教諭の調査により、先の商家であることが判明した。
この建物を市民有志の「いわさきちひろ生誕の地顕彰会」が購入し、2004年(平成16年)10月に記念館として開館したが、資金面から運営が難しくなり、2013年(平成25年)には一旦休館となった。その後、越前市観光協会が管理を引き受け、2014年(平成26年)4月から運営を再開した。
展示
- 大正時代の町家をイメージした復元。
- ちひろの東京の自宅アトリエの再現。
- 絵本ライブラリー(ちひろの絵本、関連書籍)
- ギャラリー(ちひろ美術館と連携した企画展など)
- ミニシアター
利用情報
- 開館時間:10時 - 16時
- 休館日:毎週火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始休館
交通アクセス
- ハピラインふくい線武生駅から徒歩約10分。
- 福井鉄道福武線たけふ新駅から徒歩約15分。
周辺
- 武生公会堂記念館 - 国の登録有形文化財、1929年(昭和4年)に完成。
- 武生中央公園 - 総合運動公園、毎年10-11月に「たけふ菊人形」が開催。
脚注
関連項目
- ちひろ美術館・東京
- 安曇野ちひろ美術館
- いわさきちひろ記念事業団
外部リンク
- 「ちひろの生まれた家」記念館 - 公式サイト(越前市観光協会)


